【社長BLOG】メガベンチャーの第二世代ベンチャーとして

 

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普段このブログでは仮想通貨や資金調達についての考察やメッセージを中心に投稿していますが、今回は組織論について考えてみたいと思います。CapitalBaseを設立して早くも1年が経ちました。その過程で感じたことを中心に整理します。

 

メガベンチャーの第二世代ベンチャーとして

 SBIグループは今年で創業20周年を迎えます。1999年にソフトバンクの管理部門を中心としたメンバーから始まった組織は大きな成長を遂げ、今に至ります。一般的にメガベンチャーというとIT系企業の名前が挙げられますが、組織群として捉えた場合、間違いなくSBIグループは”金融メガベンチャー”と言えるのではないかと思います。SBIグループは大小様々な会社が連なり複数のビジネスポートフォリオから成り立っています。個別にみると古巣であるSBI証券のよう大きくに成長した企業から、当社のようにこれから事業を伸ばしていく企業まで様々です。

 

 2000年代に創業した多くのグループ企業のビジネスモデルは既存金融事業のネット化です。SBI証券は対面証券のビジネスをネットにシフトし、価格と利便性で多くの個人投資家を獲得し、ネット証券最大手へと至りました。ネット銀行に関しても同様と言えます。上記の証券を含む企業は第一世代のベンチャーと言えます。私がSBI証券に入社した頃はちょうど対面証券と合併した直後であり、ネットとリアルの文化が混在し、ベンチャーから大企業へと組織が変化するタイミングだったと感じています。

 

 SBI証券が第一世代とすると、第二世代って何?ということになるかと思います。個人的には以下のような特徴が挙げられると思います。

 

  1. 既存金融事業のネット化ではない独自の事業モデル
  2. ボトムアップで誕生した組織、若手を中心とした組織運営

 

 1つめの特徴は分かりやすいかと思います。既存事業のネット化・海外で普及したビジネモデルの輸入によるローカライズが分かりやすい特徴です。既存事業をネット最適化することで価格や商品数、圧倒的な情報量で優位性を築いてきました。SBI証券がここまで伸びたのも、そこに付加価値が存在した結果と言えます。逆に第二世代は第一世代ほど手本となるモデルが存在するわけではなく、手探りでビジネスを作り上げる必要があります。どちらも組織はゼロから作り上げる必要がありますが、前者はビジネスモデルの検証がある程度済んでいる、という違いがあります。ある意味、第二世代は“未知の領域への挑戦”と言えるのではないかと思います。CapitalBaseの場合、ベンチャー・中小企業を対象とした資金調達プラットフォーム事業の立ち上げを進めています。個々のサービス単位で捉えると既存事業の延長として前述の定義で言う、第一世代に該当するものも含まれますが、総体としてはそれらを組み合わせた新規ジャンルのビジネスモデルと言えるのではないかと考えています。ICOやSTOと言ったビジネスは仮想通貨の中でも取引所のようにモデルが確立したビジネスではないので、不安定さ・規制リスクが常に付き纏います。

 

 2つめのボトムアップ・若手中心の組織ですが、これは内部の人材構成を示しています。SBIグループ自体、ベンチャーとして急成長していく中で即戦力となる人材を中途採用して成長してきました。多様なバックボーンを持った、既に活躍している人材を中心に構成された組織体制と言えるかもしれません。当社の場合、私自身がSBIグループの新卒ということもあり、組織設計に際して新卒を軸に若手社員に注目しています。SBIグループに入社する若手の傾向として事業意欲が強く、機会に飢えている社員が多いと感じています。組織全体を見ると、新しいことへのチャレンジが多く、多くの機会が存在するように見えますが、事前の準備と巡り合わせが必要です。

 

 私自身は2014年以降、幾度かの事業提案を経て2017年の子会社設立に至っております。その過程ではボツとなった案もタイミング的に時期尚早だった案も様々ありました。転機はSBI証券からSBIホールディングス社長室への出向でした。異動は先輩から声をかけていただき決まったものですが、そこで仮想通貨・ブロックチェーン・資金調達といった現在に至る事業アイデアが生まれました。環境的にも壁打ちとなる同僚やブレストしやすい雰囲気がありました。最終的には証券に戻りIBMとのブロックチェーン実証実験を経て、現在に至っております。最後は巡り合わせですが、それまでの過程における活動も積み重ねだと感じています。

 

上記のような経緯で経営を任されることとなったので、若手に“きっかけ”を与える場として自社を活用できないかと考えています。立ち上げ期であり、ビジネスが安定していない状況だからこそ、解決すべき課題も沢山あり、改善の余地があり、社員それぞれの創意工夫が求められるとも言えます。自主性が無いと辛い環境であることは間違いありませんが、逆に目的意識を持って提案できる自主性があれば“チャンス”を拾える環境ではないかと思います。これまでのグループ会社の中核メンバーの多くが中途社員であるからこそ、逆に新卒を中心とした若手中心の組織体制で事業運営を軌道に乗せることで組織設計における新しいロールモデルとなることができるのではないかと思います。とはいえ、若手ばかりではバランスに欠くことは間違いないので、組織文化に共感いただける即戦力人材とのコラボが不可欠であり、中途採用について私自身前面に出て積極的に進めたいと考えています。募集職種一覧は下記を参照いただければと思います。

 

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 ベンチャー組織における役職の考え方

 ベンチャー組織にありがちな役職の割り振りについて考えてみたいと思います。数名から20名未満の小さな組織において、メンバーの多くが対外的に高そうな役職持ち、というのがスタートアップにおいては頻繁に見受けられます。時々、どういう役割かわからない難しい役職にも遭遇します。肩書で人材採用を有利に進める、という狙いがあることはもちろんわかります。充分な実績や待遇が難しい以上、代わりとなるものが採用には必要です。

 

 しかし創業初期のメンバーに深く考えずに重要な役職を付与した場合、組織が拡大した際に様々な問題が顕在化することが予見されます。後続入社メンバーとの待遇の不平等、実力に不相応な肩書などの問題が発生します、一般に「役職インフレ」と呼ばれるものです。組織の成長に合わせて、初期メンバーが成長していくことが出来れば大きな問題にはなりませんが、組織の成長にキャッチアップ出来ない場合、そこにミスマッチが発生します。ときに環境や肩書が人を成長させる要因になることは事実かと思います。しかしながら、いきなり何段もスキップしてしまった場合、ギャップの解消が難しく、本人と組織にとって幸せな関係は構築しにくいと思います。

 

 フラットの組織体制を目指し、階層を出来る限りなくす試みや、ティール組織のようなモデルを志向する例もあります。どちらかに偏った組織がスタートアップには多い気がします。どちらもメリット・デメリットが存在するので一概にどちらのモデルが良いとは言えませんが、スタートアップが直面する人材に関する悩みは尽きないと言えます。個人的には入社時はいきなり大きなタイトルを付与するのではなく、業務での優れた実績が認められたらすぐに評価するのが良いかと思います。過去の実績、スキル・経験はあくまで参考値であり前提も環境も異なるので、次も同様のパフォーマンスが期待できるかは誰にも分かりません。その点を現実的に受け止めつつ、ダイナミックに評価反映することが出来れば、チーム構築においてリスクを抑えつつ、ベンチャーらしい柔軟さも確保できるのではないかと思います。

 

 当社に関して言うと、上記の役職インフレは存在しません。グループの人事制度によって組織横断・多面的に評価されます。こういうとメリットが無さそうに見えますが、立ち上げ期の少人数組織のメリットとして“意思決定の機会”が挙げられます。一人ひとりがカバーする範囲が大きな組織に比べ広く、日々の業務の中で担当者が自身で意思決定しながら進めていく場面が多いのが特徴です。実践的な経験値を積み上げるに最適です。ただし、指示待ち・細部まで説明されないと行動出来ない方には厳しい環境です。選択を間違えることもしばしばあるので、固執せず、気持ちの切り替えが早く、すぐ行動できる方は適性が高いのではないかと思います。新規アイデアは仮説と検証の繰り返しで結果が出るまで時間がかかることも多いので、やり抜く力も重要です。チーム構築にあたってはスキル・経験も重要ですが、表面的には見えにくい部分がより重要だと思います。メンバーが同じ方向を向いて組織文化に共感できないと、所詮個々の集まりでしかなく、組織として力を発揮することが難しく、結果として立ち行かなくなってしまうと考えます。今後、より多くの経験を重ねることで考え方も変化するかもしれませんが、今回の投稿では当社がどのような組織でどのような考え方かお伝えできたかと思います。共感いただける方は、お問い合わせからご連絡いただければ事業詳細についてご説明させていただきます。

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