【社長BLOG】株式投資型クラウドファンディングと新たな挑戦

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  5月以降なかなか時間を確保できず3か月経ちましたが、その間に色々と変化がありましたのでこの場で報告・共有させていただきたいと思います。

 

 第一種少額電子募集取扱業者の登録

 昨年の秋頃から検討・準備を進めておりました株式投資型クラウドファンディング事業ですが、6/28に財務局の登録、8/15に日証協の加盟が完了し金商業者としての体制が整いましたのでご報告いたします。

 

 株式投資型クラウドファンディングは2014年の金商法改正で誕生した新しい制度であり、登録事業者は10社にも満たないライセンスでしたので、登録手続きに関する情報がなかなか入手できず手探りでの登録となりました。

当初は申請から登録完了まで6か月を予定しておりましたが、結果としては9か月程度の時間を要しました。少人数でゼロからの金商業のライセンス取得はとても大変でしたが貴重な経験でした。

 

株式投資型クラウドファンディングは1億円未満の資金調達に活用される制度で、投資家が投資可能な金額は、同一会社が発行する株式につき年間50万円までとなります。

これまで未上場株式の募集は日本証券業協会の「店頭有価証券に関する規則」によって証券会社等での取扱いが制限されておりました。本制度は「株主コミュニティ制度」と共に上記自主規制の特例に位置づけられます。

 

株式投資型クラウドファンディングの価値がどこにあるかというと、これまでアクセスできなかった未上場株投資を一般投資家の手の届く金融商品としたことがあげられます。これまで未上場のベンチャー企業に対する資金の出し手はベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家などに限定されておりました。

 

一般投資家の判断基準は機関投資家とは異なります。資金も他人の金ではなく自分の金なのでファンドと異なり償還期限を厳密に意識する必要もありません。クラウドファンディングの特徴でもあるファン株主としての支援・応援という側面も期待できます。

このように多様な価値観・判断基準を持つ個人投資家が参入することで、これまであまり注目されていなかった企業にファンが集まり、どんどんと成長していくような新しい成長モデルも誕生するかもしれません。特にB2Cのビジネスモデルの場合、恩恵を受けやすいかと思います。

 

 GEMSEE Equity

以前このブログでブランド名である「GEMSEE」の起源について説明いたしました。由来は“Gemstone(原石)・Seeker(探究者)”でそれぞれ、“成長を目指すベンチャー・その価値を見出す投資家”を指し示しています。

昨年は「GEMSEE ICO」というサービス名でICOプラットフォーム事業の準備を進めておりましたが、事業環境の急速な変化・環境整備の状況を鑑み開発を一時中断し、株式投資型クラウドファンディング事業にピボットいたしました。「GEMSEE Equity」は株式投資型クラウドファンディングのサービス名称です。

今後、我々のプラットフォーム上で展開される各種資金調達サービスは「GEMSEE ●●」という形になるかと思います。

 

株式投資型クラウドファンディングは制度的にシード・アーリーからシリーズA辺りのベンチャー企業の資金調達がメインとなります。本格的な大型調達前のフェーズでの活用や少額投資のVCとの協調投資などが考えられます。

資金調達は1回で終わりませんし、調達は手段であり、目的は事業成長ですので我々としては株式投資型クラウドファンディングで資金調達をアレンジしてからが本番と言えます。

 

起業家とは長い付き合いとなりますので、我々の案件審査では面談等を通じて「人物」をきちんと評価していきたいと考えています。単にビジネスモデルや技術が優れていても、それだけでは取扱いは難しいと考えております。

上記に加え、経営陣の経歴・人柄・事業に対する想いなど数値に現れない部分も重視します。資金調達成立後はどのように事業を伸ばしていくかがコンサルの主眼となります。組織設計、人材採用、サービス開発、次回資金調達の検討など様々な課題に対し、起業家の側に立って支えることが調達後の我々の役割となります。我々は直接の資金の出し手にはなりませんので株主としての利害関係が発生することはありません。

よって、中立的な立場で中長期の目線で考えた際にベストな提案が出来るのではないかと考えています。具体的なサービス内容については別途、プレスリリース等でお伝えしたいと思います。

 

 STOの事業化に向けて

 春頃のブログでSTO(電子記録移転権利)の事業化について触れました。4か月が経ちましたが漸く、本格的な事業化検討が開始いたします。既に一部の報道でSBIグループによるSTO協会の設立等について記事となっておりますが、来春の改正金商法の施行にあわせ、STOを金商業者が取扱うためのルール整備が始まります。

 

 日本においてSTOは実際の案件の取扱い開始前に当局によって規制されましたので、仮想通貨(暗号資産)のように先に取引の実態が存在し、後追いでルールが整備されたのと状況が異なります。

“そもそもSTOとはどのような金融商品でどのような取引形態となるのか”について定義することから始める必要があります。ICOの流れを汲むSTOですが、過去のICOの反省を踏まえ革新的な要素は継承しつつも、金融商品としてのルールにフィットさせた設計が必要となります。

 

 私自身はSTOを新しいベンチャー企業の資金調達の手法として広く普及させることが出来ればと考えています。数百年続いた株式発行による外部からの資金調達による事業成長に代わる仕組みとしてSTOを位置づけることが出来れば、面白い未来が描けるのではないかと思います。

設計のポイントとして、株式には議決権がありますがST(セキュリティトークン)には一般に議決権に相当する権利がないことが多いと思われます。この点と収益分配における優先劣後関係、経済的価値以外のサービス利用価値をどのように商品設計に組み込むかで新しい金融商品としての立ち位置が決まるのではないかと思います。

 

 投資家にとって既存の金融商品に代わる選択肢、起業家にとっては既存の株式増資に代わる新たな資金調達手段になれば、双方のニーズがマッチするアレンジが可能であり、ベンチャーマーケットが小さな日本において新たな産業やビジネスの発展に貢献できるのではないかと思います。

株式との役割分担論点の延長ですが、ST発行主体の事業の継続性、Exitプランを描くことも必要で、将来的に株式上場はせず、STのみを上場させる形もあり得るのではないかと思います。色々と企業経営・ガバナンス上の発想の転換が必要な気もしますが、発行体と投資家の関係がきっちりと整理できる枠組みが存在し、発行体・投資家双方の利害が一致すれば、将来的にはそのような形もありではないかと思います。

  

 新たな挑戦

 色々書きましたが、私自身はしばらくの間、STOの事業立ち上げに注力することになります。CapitalBase設立からもうすぐ2年となります。紆余曲折ありましたが漸く事業開始の目処が立ちました。

本来であれば率先して事業を推進し、経営としての管理・監督の責任を果たさなければならない状況ですが、このタイミングでSTOの事業化が本格化しグループ戦略上、優先的な対応が必要となりました。

 

 上記の背景から本日の株主総会・取締役会にて職位を代表取締役から取締役に変更しております。このブログも社長ブログという位置付けなので、若干不一致ですがこれから注力するSTOに関する情報を発信出来ればと思います。

来春のルール整備に向けて、決めなければならないことが山積みな状況です。STOに関してはゼロベースでの検討が必要となりますので正式なワーキンググループの立ち上げに先んじて、有識者の方と意見交換等出来ればと思います。

堅苦しいのは抜きでざっくばらんにアイデアを交換できればと思いますので、興味ある方はSNS等でご連絡ください!

 

普通に考えると半年ちょっとでゼロからの認定自主規制団体の立ち上げ、ルール整備は無謀に思えますが、そのくらいの方がやりがいはあります。グローバルな動向として資金調達の手法はICOからSTOへと変化しておりますが対応は国によって様々で現状、スタンダードは存在しません。

これは資金決済法で仮想通貨を定義したときのように、世界に先駆けSTOを金融商品として制度化するチャンスとも言えます。

 

本日時点ではこれ以上の詳細については書けませんが、近日中に正式なアナウンスが出来るかと思います。